素材特性

8.炭素繊維断熱材・カーボンファイバー断熱材の特徴

炭素繊維断熱材は、文字通り、「カーボンファイバー」を用いて作られた断熱材です。
グラスウールやセラミックファイバーの断熱材に比べ、耐熱温度に優れた材料です。

炭素繊維断熱材とは?

黒鉛(グラファイト)素材は、熱伝導率が良い性質を持ちます。その為、黒鉛(グラファイト)は、放熱・冷却用の敷板などにも使用されています。炭素繊維も同様にカーボン素材の為、本来、熱を伝えやすい性質を持ちます。しかし、カーボンファイバーを積層することにより、繊維の間に空気の層を作る事になります。空気は、熱を伝えにくい性質をもちます。
カーボンファイバーを伝わる熱は空気の層に触れる事により、少しずつ空気に熱を吸収されます。熱は空気に触れる事により段々と弱まります。やがて空気が熱を吸収してしまう為、カーボンファイバーは断熱材として機能をします。
カーボンファイバーは真空中の空気に触れない状況や、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性雰囲気内では約3000度まで耐えられます。炭素繊維断熱材は高温熱処理炉などでよく利用されています。

炭素繊維断熱材の製造方法と特性

炭素繊維断熱材は、カーボンファイバーを積層させたり樹脂を含浸して作られております。
含浸した炭化しやすい樹脂を、炭化・黒鉛化した物を、成型断熱材と言います。
炭素繊維成型断熱材は気孔率が高く、軽くて断熱性の高い材料です。その為、耐久振動性や防音性能にも優れています。
成型断熱材には、

  1. かさ密度を変え断熱効果・曲げ・引張り・圧縮強度を変えたタイプ
  2. 表面にコート処理を施して、毛羽立ち・発塵を押えたタイプ
  3. 膨張黒鉛シートを表面に張り付けガス透過性を抑えたタイプ
  4. 黒鉛化クロスを貼付け、表面保護・毛羽立ちなどを押えたタイプ
  5. C/Cコンポジットを貼り付けて、毛羽立ち・飛散・強度・断熱効果を上げたタイプ
と、種類が様々有ります。
炭素繊維は耐熱性に優れている事も特性の一つです。
その為、一般的には1,000度を超える高温の温度域で使用される事が多くあります。

炭素繊維断熱材の主な使用用途

主な使用用途としては、排煙ダクトや、プラントの屋根・壁材、ガス・電気機器の断熱材に使われております。また、車・飛行機・船舶などの保温材および防音材にも使われております。
黒鉛化処理をされた炭素繊維は純度も高く、耐薬品性にも優れる為、半導体・太陽電池用シリコンインゴット製造炉の断熱材に使われます。
他にも、炭素繊維は生体適合性、生物親和性にも優れており、バクテリアなどの苗床になります。 また、 炭素繊維自体の持つ水質浄化能力も合わせ、 湖や沼・工場用水路に沈め、 水を綺麗にしております。浄水器カートリッジの中身にも、一部、炭素繊維が使われております。
カーボファイバー(炭素繊維)は単独で使用される事は少なく、通常は、樹脂や金属・セラミックスなどを主成分とする原料に配合されて、利用されています。
「C/Cコンンポジット」や、「CFRP」も、「カーボンファイバー(炭素繊維)」の複合材の一部です。

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