炭素入門編

8.炭素(カーボン)の性質ってどんなの?

カーボンは、原子レベルで研究・開発されております。新しい材料が発見されると、新しい性質も発見されております。

炭素(カーボン)の性質ってどんなの?

大昔から生活に密着して存在する炭素ですが未開の部分が多く、今も研究がされており用途が模索されています。
炭素(カーボン)は、炭素原子「C」の結合構造の違いにより性質が全く異なります。同じ原子からなる物質でも、原子の結合の方法の違いで性質が変化しているものを同素体といいます。
例えば通電性で言えば、黒鉛(グラファイト)はよく電気を通します。しかし、ダイヤモンドは絶縁体です。また、カルビンは半導体です。硬度は、ダイヤモンドは地球上で一番硬い性質を持つ物質といわれております。黒鉛(グラファイト)は軟らかく、製品の敷板や滑り板として利用されています。カーボンスポンジ「ポーラスカーボン(=多孔質カーボングラファイト)」という素材もあり、手で押しつぶせる程度の性質の物もあります。
人体は、水分を除くと、約2/3は、炭素原子で出来ています。
また炭素原子は、地球上に14番目に多く存在する物質です。
生活においても、暖を取る、料理を作る、車を走らせる、電気を作るなど、炭素(カーボン)は昔からなくてはならない存在です。また、これから生活を支える電力では、水力、風力、原子力発電、太陽光発電などのエコエネルギーを生み出す装置にも黒鉛(グラファイト)は必要不可欠です。例えば、今や全ての電気製品に入っているとも言える集積回路(ICチップ)に使われているシリコンを作る工程の道具に、黒鉛(グラファイト)素材は多く使われております。また、原子力発電所の原子炉では、核融合炉内部品に、高密度で高純度、放射線損傷安定性を達成した黒鉛(グラファイト)製品が使われております。 しかし、「C(カーボン)」は便利なだけでなく、二酸化炭素として存在すれば地球温暖化を進める性質を持つ物質でもあり、カーボンナノチューブはアスベストに似た健康被害の可能性があると言われています。C60フラーレンはDNAの切断をするので使い方を誤れば細胞毒性の強い物質です。
現在、一般的に利用されている有機化合物(石油、石炭、コークス、コールタールピッチ等)は、地下から供給されています。エネルギー利用された有機化合物は二酸化炭素として放出されます。地下で眠っていた「C(カーボン)」を地上で利用しているのですから、当然、空気中には二酸化炭素量が増え地球温暖化が進みます。
これを、地下地上の法則といいます。
また、カーボンファイバーは、大変優れた材料であり様々な用途で実用化されております。しかし、リサイクル性が悪いことが以前より指摘されておりました。平成20年頃から、リサイクルの方法が検証され、粉砕処理および熱処理したカーボンファイバーのリサイクル方法がようやく技術実証されました。
「C(カーボン)」は、分子構造や結晶構造の違いで全く違う性質を持ち、人・環境にとってよくも悪くも作用する物質です。
空気中や海水に含まれる二酸化炭素を、酸素と炭素(カーボン)に手間も費用も余りかからず簡単に分けられる技術が出来れば、二酸化炭素を減らしつつ、有効に炭素(カーボン)を利用できる画期的な技術となります。
(そんな夢の技術が開発されることを願っています。)
最後に、地球温暖化の抑制を容易に進めかつ、環境にも良い皆様にも出来る簡単な方法があります。
それは、炭を花壇や庭に埋めること。
農業廃棄物や、森林から出てくる材木、リサイクルして使えない木材を使って燃料以外の用途に使う炭をバイオチャー(バイオ炭)と呼びます。炭を庭に埋めると木炭1立方メートルで約1トンの二酸化炭素を固定できると言われています。また炭は腐りませんのでずっと二酸化炭素を固定しておくことが出来るわけです。
また、炭を加えた土壌で作物を育てると、
1.微生物を定着させ、良質な土壌にすることができる。
2.肥料成分を炭が保持し雨などで土が流れにくくなる。
3.水に溶けやすいミネラルを植物に供給してくれる。
4.保水効果が炭にはあり水を安定して提供できる。
5.炭の多孔質の空気層で通気性を高めてくれ根腐が発生しにくくなる
といった効果があり、多くの農家が田畑に炭を入れると作物の根の張りがよくなるという経験をされています。
他にも、住宅の床下に炭を敷き詰めると、
1.床の温度調節に繋がり、夏は涼しく冬は暖かくなります。
2.床下の湿度が高いと、結露が発生しカビが生えやすくなり、木材を腐朽させ、シロアリ発生の原因になります。床下の木炭は吸湿と抗菌効果により床下の各部材を腐朽から守り、家を長持ちさせます(吸湿しきった炭を床下に置きっぱなしにしておくと、床や柱に湿気を与えてしまい逆効果になってしまうという噂も聞きます。もし施工される際は、ご相談されるリフォーム会社とお打ち合わせの上、地面からの防湿対策や通気対策、交換対策もご検討ください)。
3.炭には、マイナスイオンを発生させる働きがあるため建物はマイナスイオンに包まれます。
4.空気の浄化能力もあるため臭いを吸着してくれます。
などなど、カーボンを身近に採用をして頂くとエコで健康に過ごせる働きをしてくれます。

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