機械加工入門編

1.機械加工の基礎知識、基本事項

寸法

図面には大きさを表す寸法が記入されております。

メートル

1983年(第17回国際度量衡総会決議1 )に基準が見直され、現在では「メートルとは、光が真空中を1 /299,792,458秒に進む距離である」と定義されています。

インチ

1inch(=1インチ、1”、1in )と表記されます。 10フィート1インチは、「10’1”」と表記されます。 「10’1”」という表記方法は、時間や角度を表すこともある為、混乱を招きやすい書き方なので、注意が必要です。

公差

機械加工において図面に表示された寸法(基準寸法)と全く同じ寸法で製品を作る事は出来ません。それは、工作機槭の加工精度も刃物の長さや刃物の回転数にもよりますが温度管理がされ、基礎工事がしっかりされた水平な場所に設置された高額な機械でも最低でも2~5μm程度は誤差が生じます。一般的な工作機械では、環境なども加味すると20~40μm程度は誤差が生じます。そのため、製品の実際の寸法として許される最大値と最小値が決められています。その最大値(maximum)と最小値(minimum)のことを「公差」といいます。

一般公差(普通公差・寸法公差)

一般公差とは、図面や仕様書などで特別な精度が要求されない際には、許容差を一つ一つ指示せずに一括して指示する場合に用いられます。通常、公差について指示がなされていない際は、JISに定められた一般公差にて製造いたします。

幾何公差

寸法公差は、通常、二点間の長さの測定寸法について指示をされていますが、工業製品は複雑で、線や面で接合し組み立てられ形状を作り出されております。その為、形作る形状の許容差を示すのに幾何公差というものがあります。

真直度

一定方向の直線度合いの公差を示す

平面度

面のねじれ度合いについての公差を示す

真円度

円の丸みについての公差を示す

円筒度

円柱の中をくりぬいた際の、外面と内面のぶれの公差を示す

線(面)の輪郭度

定められた形状の二つの曲線の中間についての公差を示す。

平行度

二つの面の平行に対するずれの公差を示す

直角度

90度に交差する面の傾きの公差を示す

傾斜度

直線部分と基準線が同一平面上にない際にずれの公差を示す。

位置度

穴加工をする際などに基準の位置からのズレの公差を示す

同軸度

円筒部分のずれの公差を示す(長いパイプを作る際)

対称度

中心に対するずれの公差を示す

振れ(真直度)

円筒を回転させた際のぶれについての公差を示す

レンジ(Range)

範囲、距離、幅などを意味します。よく、「レンジで0.02の範囲」といいますが、例えば100の加工に対して、+0.01、-0.01の公差が必要な際などに使います。加工公差の基準に対して±の幅を表します。

( )・括弧寸法

計算値では求められるが実際計る事が出来ない箇所や、参考寸法の表記に使います。

「□」角寸法

四角形を表す際に使います。 □10 (一辺が10mmの四角形)などとして表記します。

「t」厚み寸法

板の厚みを示す際に使います。「t」を使うと、側面図もしくは平面図を省略できます。
□100x 10tと表記すれば、100mmの四角形状で、厚み10mmという事です。

有効幅

建築用語では、「部材断面計算に採用される有効と認められる幅をいう」と、説明されておりますが… 図面で判りやすく説明しましよう。
下記図面は、両方とも、矩形形状の隅部に、4-R5の処理を施す図形となっております。
左図面は一般的な加工で、幅20mmの線を引き円弧と交わる点で垂直線を引き角を丸めております。
右図面は、φ34mmの円に20mm幅をとり内接円で角を丸めております。
平断面の寸法を表している、()内の寸法が違っている為、有効幅の指示の有無の違いが判ります。

基準面(基準点)

製品の加工において、どの面(点)を基準にして長さや位置を決めるかが重要となります。そのような基準の面(点)を「基準面(基準点)」といいます。基準面(点)を間違えると加工誤差が積み重ねられ、一つ一つが公差範囲内となっていても最終的に組み立てることが出来ないことになりかねません。
特殊炭素製は複数の部品を組み立てて使う事が多く、設計段階で基準面(基準点)を十分認識した上で検討に入る必要があります。

はめあい(嵌合-かんごう)

機械部品の互いにはまり合う円筒形の丸い穴と軸について、機能に適するように公差や上下の寸法差を定めておりこれを「はめあい」といいます。

すきまばめ

軸よりも穴の方が大きいはめあい。

しまりばめ

穴よりも軸の方が大きいはめあい。「圧入」ともいいます。

表面粗さ(面粗度)

製品の表面の凹凸をマイクロメートルの単位で測り、数値で表したものを「表面粗さ」といいます。
製品の表面をどの程度きれいに仕上げる必要があるかは、加工の手順を考える上でも重要です。
面粗度の図面の表記方法は、JISの表記方法が何度も変更になっております。例えば、旧記号ではRaは算術平均粗さ、Ryは最大高さ、Rzは十点平均荒さを表しておりますが、新記号ではRaは算術平均粗さ、Rzが最大高さ、Rzjisが十点平均粗さを表しております。下記の表では、 左側の表はJISに則った金属表面粗さの仕上げを、 右側の表は炭素協会に則った炭素製品の表面粗さの仕上げを一覧にしております。 (金属・炭素素材とも旧記号の所はRa =算術平均粗さを記しております。)

鏡面仕上げ(Mirror Finish , Sheen Finish)

金属(ステンレス)では鏡面仕上げをする際に、1000番→1500番→2000番→3000番(4000番) →4000番(6000番) →8000番→ 14000番と順番に研磨し鏡面仕上げを行います。時には、最終的には30000番まで使い鏡面仕上げる場合もあります。
(基本的に番手は1.5倍~2倍にあげていくと効率よく綺麗に仕上がります)
金属の鏡面仕上げでは、8000番はまだ荒磨き程度と言われる事もある位です。
黒鉛(カーボングラファイト)材料が直接触れる製品型として使われる際、鏡面仕上げが必要とされる事があります。
しかし、黒鉛(カーボングラファイト)は材質の品番によって違いますが、最大粒子径がCIP材で0.02~0.05mm(20~50ミクロン)、押出材では、1~2.5mm(1000~2500ミクロン)の大きさがあります。 研磨する砥粒の大きさは#600で25~35ミクロン。#700で22~30ミクロン。#800でも18~25ミクロンです。黒鉛(カーボングラファイト)柔らかい為、セラミックで出来た砥材で磨くと寸法が変わるようにグラファイトが削れすり減ります。その為、サンドペーパーや研磨剤は使う事は出来ず、砥材の入っていないバフや布で磨く事となります。 炭素製品の表面粗さは、炭素協会の基準では、 ▽▽のRaは8.75a (8.75マイクロメートル)「Rmaxで35s( 35マイクロメートル)」 ▽▽▽のRaは3.0a(3.0マイクロメートル)「Rmaxは12s ( 12マイクロメートル)」となっております。
黒鉛(カーボングラファイト)の素材はポーラス状になっております。
ということは、黒鉛の鏡面仕上げとは、カーボンの粒ーつずつを磨くのに近い状況になります。その為、黒鉛では、▽▽の鏡面仕上げも、▽▽▽の鏡面仕上げも存在し、面粗度と鏡面仕上げは違う物として考えられます。
判り易く言えば、グラファイトは粒子が大きい為、素材自体が多孔質(ポーラス)であり隙間が多く、凸凹で波打っているような状況です。荒く波打っている板(▽▽)を鏡面に磨くか、前者よりも波打っていない板(▽▽▽)を鏡面に磨くかの違いなので、面粗度が製品に必要なのか、鏡面仕上げが製品に必要なのか、全く違う物としてグラファイトは取り扱われます。

罫書き(けがき)

材料に傷つけて絵を描くこと。穴あけの位置を決めたり、切り出しの位置や基準の線を決めるために行います。

ツールマーク(切削痕)

機械加工を行うと、刃物の走った方向に後が残ります。
その刃物のあとをツールマーク(切削痕)といいます。
ツールマーク(切削痕)は手で触っても段差は感じません。刃物の切れがいい(磨り減っていない場合)ほど、ツールマークが出やすくなります。ツールマークが気になる際は、わざと磨り減った刃物で加工することもあるくらいです。

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